日別アーカイブ: 2018年8月24日

肉汁と官能! (辻合重光の食レポです)

8月22日大阪長居の熟成肉又三郎さんから。

やっと来れました。

大阪で肉料理のお店として有名で、5年前から来たかったお店です。

何度か予約を取るために電話をしたが、なかなか繋がらない。

繋がったとしても満席で予約できない。

やっと取れたのが8月21日の夜。

お盆明けで落ち着いた時期だったのでしょう。

お昼のランチタイムに予約を入れた。

家内と母と3人の食事会です。

近くのパーキングに駐車して。

外はなんと気温39.5度。

「お店はどこだろう?」

視点を遠方から近くに移してみると。

なんとパーキングの真横が又三郎さんでした。

しっとりとした外観の重めの格調あるドアを静かに開けると・・・。

玄関横にど〜んと、憧れの熟成肉のショーケースが。

「寝ている。寝ている。いろんな部位の肉が。」

サシの入った黒毛和牛が主体です。

いい感じに表面にカビが着床している。

当然写真を念入りに撮って、サービスの女性に案内されて個室に入った。

やはりしっとりと落ち着いた雰囲気の部屋です。

しっかりと作りこまれたメニューから、

『熟成肉のコース』と『熟成ハンバーグのコース』を注文した。

選んだ肉の部位は、黒毛の《ソトヒラ》と《ヒウチ》そして赤牛の《ウチモモ》。

コースの初めはまずサラダと熟成肉のスモークソーセージのプチホットドッグ。

サラダは新鮮で、ドレッシングもさっぱりとおいしい。

ソーセージは軽やかなスモーク香が食欲を増進させる。

次に運ばれてきたのは熟成肉ハンバーグ。

見るからに肉肉しい感じのハンバーグである。

ある意味無骨なその物体にナイフを入れると、中からジュワー、そうまさにジュワーと肉汁があふれる。

その一切れを噛み締めると濃い肉汁が口の中を埋め尽くす。

その肉汁に支配された私の脳は官能に占領されていた。

ふと我に帰ると、テーブルには次なる肉塊が待っていた。

ソトヒラ、ヒウチと順に切り分け、その美しい断面に見とれながら口に運ぶ。

熟成香がまず鼻をつき、その後に繊細な脂肪の甘みが続く。

歯にも舌にも触ることなく融けて行った。

「旨〜い!」以外に言葉出てきませんでした。

そして、待ちに待った赤牛のウチモモの熟成肉がテーブルに。

「なんとも美しい!」

断面全体がロゼ。

ナイフを入れるとしっかりとした肉質が指に伝わってくる。

生の黒胡椒のペーストでいただくと、やはりしっかりとした噛み応えと、赤身の肉の旨味が口いっぱいに広がった。

「ああ、これだ!」

「私が求めているのはこの感覚だ。」

熟成によってややほどけた弾力はネットリと絡みつく。

先の黒毛の熟成と比べると、しっかりと満足感が得られるだけの量もこなせる。

こんな熟成肉をうちのお客様にも提供したい。

この日は私の味の記憶を一段と進化させる体験が出来ました。

この記憶がないと料理は作れない。

よしんば作れたとしてもけっしてレベルの高いものは出来ない。

「明日からまた研鑽出来る。」

喜びに満ちて又三郎さんを後にしました。

【追記】

又三郎で料理長にたずねたのですが、

又三郎の熟成庫は普通の冷蔵庫で温度管理をしながら、同時に入れている熟成肉から他の肉に菌を着床させているそうです。

そして、当店に8月21日にとうとう入った熟成庫は遠赤外線とイオン交換で肉を熟成させる。

安心、安全で科学的。

まさにガストロノミー!

さて、このたび入庫を記念してコースを作りました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

《エアーズロックステーキと熟成肉の食べ比べコース》

・熟成スモークジャーキー

・おまかせパスタ(2名様の時はドルチェ)

・サラダ

・ガーリックポテトとバゲット

・おまかせピッツァ(4名様以上のとき)

※お肉の総量は従来のエアーズロックステーキセットに準ずる。

2名様価格 通常お一人様 3700→3000

3名様以上 通常お一人様 3200→2700

期間:8月31日まで

お願い:当店のお得意様カードにご記入をお願いします。

WINE×鉄板料理 ば〜る

TEL 0745−53−3586