日別アーカイブ: 2018年7月23日

熟成肉って高い?

以前の店で熟成肉を牧場と提携して納入してもらっていました。

そこは、いわゆるDBA(ドライ・エージング・ビーフ)なんです。

銘柄の原料が高く、それに1ヶ月以上もの手間をかけて熟成する。

ご存知のとおり表面のカビ等を削って廃棄する。

当然余計にコストが上がってしまう。

お客様の口に入る時にはけっこうなお値段に!

そんな経緯で赤身の旨いオーストラリアのビーフシティやアメリカのブラックアンガスに注目。

今のエアーズロックステーキに行き着いたわけです。

熟成肉を安く出している店もあり、あちこちに食べに行きました。

しかし、旨い!とまではゆかず、意識が自然とそこから遠ざかっていました。

それから数年が経ち、世間はじわじわと熟成ブームに。

そんなある日、熟成肉の画期的システムにめぐり合う。

その会社の担当の女性の好意で、その会社の熟成庫で試作熟成。

通常DBAなら30日かかる熟成を7日で完成させるシステム。

サーロインとイチボを預けて1週間後に送ってもらった。

その表面は乾燥して、色も黒く変化していた。

料理人が丁寧に捌いて行く。

するとネットリと締まって弾力があるやや濃い目の色合いの肉が現れた。

DBAよりも締まった感じだ。

そして、鉄板で焼くとまったりとした香ばしい香りに店内は覆われた。

焼きあがった肉をしばらく休ませてから包丁を入れた。

ドリップがほとんど出ない。

その肉の細胞内に全て旨味を閉じ込めているのだろうか?

いよいよ試食です。

まずはサーロイン。

見た目と同じくネットリとまとわりつく食感。

ややスジがあるも、そのスジまで柔らかくなっている。

「・・・旨い!」

こんな熟成肉は初めてだ。

そしてイチボを食してみた。

片側に厚めの脂が乗っているが、あえてそれを削らずに食べてみた。

わたしは最近年齢のせいもあり、日ごろから肉の脂は遠ざけている。

しかし驚いたことにこの脂、

「甘い!」

そして、上質のオリーブ油のようにサラリと口の中で融けてゆく。

「これも抜群に旨い!」

長年熟成肉に求めていた理想がここにある?

・熟成肉って高い。

・あまり普通の肉との違いがわからない。

・独特のあの熟成香って合わない人もいるんじゃ?

そんな疑問がほどけてゆく。

「あなたもそんな風に思ったことはないですか?」

赤身の肉であの黒毛和牛の品質に対抗するのは並大抵ではない。

私の中にある、

・健康的で

・ダイエット向きで

・しかも懐にもやさしい

そんなお肉をお客様にご提供出来る。

わくわくが止まらないのは当たり前。

ただ・・・・

本格スタートの8月末までがもどかしい。

思い立ったように大阪の熟成庫に次のヘレ2本とリブロース1本を預けに行った。

ヘレは5日で。リブロースは7日で熟成。

今、当店に届いています。

何故熟成肉を扱うレストランがそんなに増えないか?

それは熟成が知られていないからでも、高級な肉しか熟成出来ないからでも、

ましてやニーズが市場にないからでもありません。

他ならぬこんなに簡単でしかもレベルが高い熟成ができるシステムが今までなかっただけ。

こんな文をここまで読んでくれているあなたは大変、食に造詣の深い方ですね。

熟成肉も深くお知りになりたいと思うでしょうね。

さて、本日この熟成ヘレ肉とリブロースで特別コースを作りました。

《肉盛りコース》

普段ヘレステーキは、3280円でお出ししていますが、

今回ヘレとリブロースをしかも熟成で盛り合わせて、

フルコース¥6000

と言いたいところですが・・・

特別に、全6品¥4900にてご提供させて頂きます。

数に限りがあります。

また期間を7月30日までとさせて頂きます。

前日までのご予約制とさせて頂きます。

・切り立てパルマ生ハムのサラダ

・熟成ヘレ肉と熟成リブロース肉のステーキ盛り合わせ

・ガーリックポテト、バゲット

・黒毛和牛と霧島山麓豚のボローニャ風スパゲッティ

・季節のフルーツのマチェドニアアイスクリーム

・コーヒーまたは紅茶

熟成ヘレ肉と熟成リブロース肉の肉盛りコースです。

ご予約は、0745−53−3586